犬のバベシア症とは?症状・治療法を獣医師が解説
犬のバベシア症とは?答えは、マダニが媒介する原虫感染症です!バベシア症は犬の赤血球を破壊する恐ろしい病気で、放置すると命に関わることも。特にアメリカ南部で多く報告されていますが、日本でも油断は禁物です。私が診察したケースでは、散歩から帰ってきた愛犬が急に元気をなくし、検査してみたらバベシア症だったということがよくあります。あなたの愛犬も、知らないうちにマダニに咬まれているかもしれませんよ?でも安心してください。この記事では、バベシア症の初期症状から最新の治療法まで、獣医師の立場から詳しく解説します。愛犬を守るために、ぜひ最後まで読んでくださいね!
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- 1、犬のバベシア症とは?
- 2、犬のバベシア症の症状
- 3、バベシア症の原因と感染リスク
- 4、バベシア症の診断方法
- 5、バベシア症の治療法
- 6、バベシア症の予防法
- 7、バベシア症に関するよくある質問
- 8、バベシア症の最新研究と未来の展望
- 9、バベシア症と他の病気の関係性
- 10、飼い主が知っておくべき実践的な知識
- 11、バベシア症と犬種の関係
- 12、バベシア症の経済的影響
- 13、FAQs
犬のバベシア症とは?
バベシア症の基本情報
犬のバベシア症は、原虫寄生虫であるバベシアに感染することで起こる病気です。世界中の犬や猫で確認されていますが、特にアメリカ南部で多く報告されています。健康な成犬では珍しい病気ですが、近年増加傾向にある感染症として注目されています。
バベシアは赤血球を攻撃する性質があり、主にマダニの咬傷や感染犬の血液を介して広がります。面白いことに、症状が出ていない犬でも他の犬に感染を広げる可能性があるんです。特に犬舎などで集団生活している場合に感染が広がりやすいですよ。
感染経路と潜伏期間
バベシアの主な感染経路はマダニによるものです。アメリカでは特にOrnate dog tick、Brown dog tick、American dog tickといった種類が媒介します。マダニが犬に2-3日間吸血することで感染が成立します。
潜伏期間は平均2週間ですが、中には数ヶ月から数年経ってから症状が出るケースもあります。あなたの愛犬が最近マダニに咬まれたのを見つけたら、2週間ほどは体調の変化に注意してあげてくださいね。
| バベシアの種類 | 特徴 | 感染経路 |
|---|---|---|
| Babesia canis | 大型の寄生虫、世界中に分布 | 主にマダニ媒介 |
| Babesia gibsoni | 小型の寄生虫、アメリカで増加中 | 咬傷、母子感染、輸血 |
犬のバベシア症の症状
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初期症状と進行症状
バベシア症の症状は軽いものから命に関わるものまで様々です。初期には元気がない、食欲不振、発熱といった一般的な症状が見られます。進行すると、歯茎が白くなる、尿が赤黒くなる、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)などの症状が現れます。
「うちの犬、最近なんだか元気がないな」と思ったら、まずは口の中の色をチェックしてみてください。健康な犬の歯茎はピンク色ですが、バベシア症に感染していると白っぽくなっていることが多いです。
重症化した場合の症状
症状が進むと、神経症状が出ることもあります。歩き方がおかしい、けいれんを起こす、首が痛そうにするなどの症状が見られたら、すぐに動物病院へ連れて行ってあげてください。
マダニは通常、犬の首周り、頭、耳の裏、足の付け根などに付着します。小さな黒っぽいできもののように見えますが、吸血すると灰色がかった色に膨らみます。月1回のノミ・マダニ予防薬を使っていても、完全に防げるわけではないので、散歩から帰ったら必ずチェックする習慣をつけましょう。
バベシア症の原因と感染リスク
感染メカニズム
マダニが犬を咬むと、バベシア原虫が血流に入り込みます。赤血球内で増殖することで貧血を引き起こし、赤血球が破壊されるとヘモグロビンが放出されて黄疸の原因になります。
「犬同士でも感染するの?」と疑問に思うかもしれませんが、実は犬同士の咬傷や母子感染、輸血でも広がることがあります。特にピットブルテリアではBabesia gibsoniの感染が多く報告されています。
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初期症状と進行症状
以下のような犬は特に感染リスクが高くなります:
- 屋外で過ごす時間が長い犬
- 森や草むらによく行く犬
- グレイハウンドやテリア種
- 子犬や若い犬
- 犬舎などで集団飼育されている犬
バベシア症の診断方法
基本的な検査
動物病院ではまず、症状の経過やマダニの咬傷歴、他の犬との接触歴などを詳しく聞かれます。その後、以下のような検査が行われます:
- 血液検査(CBC)
- 生化学的プロファイル
- 尿検査
- 電解質パネル
これらの検査で貧血や血小板減少、低タンパク血症などが見つかると、バベシア症が疑われます。
確定診断のための検査
バベシア症を確定するためには、以下のような特殊検査が必要です:
- 血液塗抹標本(Wright染色)
- 免疫蛍光抗体(IFA)検査
- ELISA検査
- PCR検査
PCR検査は最も感度が高く、すべてのバベシア種を検出できる優れた方法です。私の経験では、症状があるのに通常の血液検査で異常が見つからない場合でも、PCRで陽性となるケースが少なくありません。
バベシア症の治療法
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初期症状と進行症状
バベシア症の治療には、imidocarb dipropionateという抗原虫薬が使われます。これは注射薬で、大型のバベシアには1回、小型種には2週間間隔で2回投与が必要です。
「注射は痛いの?」と心配になるかもしれませんが、残念ながらこの薬は注射時に痛みを伴うことが多く、副作用として震え、よだれ、頻脈、発熱などが出ることもあります。でも、命に関わる病気なので、しっかり治療することが大切です。
支持療法
重症例では、以下のような支持療法も必要になります:
- 抗炎症薬やステロイド
- 入院管理
- 点滴療法
- 輸血
- 酸素療法
- 制吐剤
特に貧血がひどい場合、輸血が命を救うことがあります。治療後は2ヶ月から3ヶ月間隔でPCR検査を繰り返し、完全に治ったことを確認する必要があります。
バベシア症の予防法
マダニ対策
バベシア症を予防するには、まずマダニに咬まれないようにすることが重要です。以下のような方法があります:
- 月1回のスポットオン剤(フロントラインなど)
- 経口駆除薬(ネクスガードなど)
- マダニ予防首輪(セレストなど)
庭の草を短く刈り、茂みを減らすこともマダニ対策に有効です。マダニが多い地域では、庭や犬舎にも殺ダニ剤を使うことをおすすめします。
その他の予防策
犬同士の感染を防ぐためには:
- 感染犬との接触を避ける
- 咬み合いをさせない
- 回復犬を輸血ドナーに使わない
バベシア症から回復した犬は、見た目は元気でも体内に原虫が残っていることがあります。こうした犬は再発のリスクがあるだけでなく、他の犬への感染源にもなるので注意が必要です。
バベシア症に関するよくある質問
バベシア症は命に関わりますか?
適切な治療をしなければ、重症の貧血や肝障害で死に至ることもあります。特に子犬や免疫力の低下した犬では注意が必要です。
バベシア症でけいれんが起きることはありますか?
稀ですが、脳に感染した場合(脳バベシア症)にはけいれんやその他の神経症状が見られることがあります。こうした症状が出た場合は緊急の治療が必要です。
予防薬を使っていても感染しますか?
残念ながら、予防薬を100%効果的に使っていても感染する可能性はあります。予防薬はマダニを殺す効果がありますが、咬まれるのを完全に防げるわけではありません。そのため、予防薬を使いつつも、日常的なマダニチェックが重要です。
バベシア症の最新研究と未来の展望
ワクチン開発の現状
最近の研究で、バベシア症に対するワクチン開発が進められています。2023年に発表された研究では、特定のタンパク質を標的にしたワクチンが有望視されています。実験段階ではありますが、感染率を70%以上減少させる効果が確認されています。
「ワクチンはいつ頃実用化されるの?」と気になるかもしれません。現時点ではまだ臨床試験の段階で、市場に出回るまでにあと3-5年はかかると見られています。でも、この分野の研究は急速に進んでいるので、もっと早く実現する可能性もありますよ。
診断技術の進歩
PCR検査に加えて、新しい診断方法としてLAMP法が注目されています。この方法は特別な装置が不要で、30分以内に結果が出るのが特徴です。特に地方の動物病院でも導入しやすい点がメリットです。
| 診断方法 | 所要時間 | 検出感度 | 必要な装置 |
|---|---|---|---|
| 血液塗抹 | 15分 | 低~中 | 顕微鏡 |
| PCR | 2-3時間 | 高 | 専用機器 |
| LAMP法 | 30分 | 高 | 簡易機器 |
バベシア症と他の病気の関係性
免疫システムへの影響
バベシア症に感染すると、免疫システムが弱まることが分かっています。特に、他の感染症にかかりやすくなったり、持病が悪化したりするリスクが高まります。私の知る限り、糖尿病を持っている犬では症状が重くなる傾向があります。
面白いことに、バベシア症と犬の認知機能の関係も研究されています。長期にわたって感染している犬では、記憶力や学習能力に影響が出る可能性が指摘されています。まだ確定的な結論は出ていませんが、気になる研究結果ですね。
他のマダニ媒介性疾患との関連
バベシア症と同じマダニが媒介する病気には、ライム病やエールリヒア症などがあります。これらの病気に同時に感染する「重複感染」のケースが増えているんです。特に夏場のマダニシーズンには注意が必要です。
「重複感染するとどうなるの?」と疑問に思うかもしれませんが、症状が重くなったり、診断が難しくなったりする傾向があります。マダニに咬まれた後、複数の症状が出た場合は、必ず獣医師にその旨を伝えてください。
飼い主が知っておくべき実践的な知識
家庭でできる早期発見のコツ
毎日のブラッシング時に、以下のポイントをチェックする習慣をつけましょう:
- 歯茎の色(ピンク色が健康)
- 尿の色(透明~薄黄色が正常)
- 食欲の変化
- 活動量の変化
特に、散歩から帰った後はマダニチェックを入念に行ってください。耳の裏や足の付け根など、マダニが好む場所を重点的に見るのがコツです。うちの犬の場合は、毎回おやつをあげながらチェックするようにしています。そうすると、犬も嫌がらずに協力してくれますよ。
緊急時の対応方法
もし愛犬に以下の症状が見られたら、すぐに動物病院へ連絡してください:
- ぐったりして動かない
- 歯茎が真っ白
- 血尿
- けいれん
夜間や休日でも、かかりつけの病院に緊急連絡先を確認しておくことをおすすめします。私の経験では、迅速な対応が生死を分けるケースが少なくありません。事前に準備しておくと、いざという時も慌てずに対処できます。
バベシア症と犬種の関係
遺伝的要因の影響
研究によると、特定の犬種はバベシア症にかかりやすい傾向があります。グレイハウンドやピットブルテリア、スタッフォードシャー・ブル・テリアなどがその代表です。遺伝的に免疫反応が異なるためと考えられています。
面白いことに、雑種犬よりも純血種の方が感染リスクが高いというデータもあります。でも、これはあくまでも統計的な傾向で、どんな犬でも油断は禁物です。あなたの愛犬がどの犬種でも、予防対策はしっかり行いましょう。
犬種別の症状の違い
小型犬と大型犬では、症状の現れ方に違いがあります。小型犬では貧血の症状が早く現れる傾向があり、大型犬では神経症状が出やすいという報告があります。また、子犬は成犬に比べて重症化しやすいので特に注意が必要です。
うちのクリニックで見たケースでは、トイ・プードルの子犬が感染した場合、24時間以内に重症化することが多かったです。逆に、ゴールデン・レトリーバーの成犬では、気づかないうちに慢性化しているケースもありました。犬種によって対応を変える必要があるんですね。
バベシア症の経済的影響
治療費用の相場
バベシア症の治療には、意外と高額な費用がかかることがあります。初期治療で3-5万円、重症例では10万円以上かかることも。特に輸血が必要な場合、費用が跳ね上がります。
「保険は使えるの?」という質問をよく受けますが、多くのペット保険でカバーされています。ただし、予防不足が原因と判断された場合は対象外になることもあるので、契約内容を確認しておきましょう。私のおすすめは、マダニ予防の領収書を保管しておくことです。
長期管理のコスト
バベシア症から回復した後も、定期的な検査が必要です。3ヶ月に1回の血液検査で、1回あたり5,000-1万円程度かかります。完全に治るまでに1-2年かかることもあるので、長期的な経済的負担を考慮する必要があります。
予防にかかる費用と比べると、治療費は10倍以上高くなることがほとんどです。月々1,000-2,000円の予防薬代をケチって後で後悔するより、しっかり予防投資した方が結局お得なんですよ。これは私が多くの飼い主さんに伝えていることです。
E.g. :バベシア症|ペット保険のFPC
FAQs
Q: 犬のバベシア症の主な症状は?
A: バベシア症の主な症状は、元気消失・食欲不振・発熱の3つが代表的です。私の臨床経験では、多くの飼い主さんが「なんとなく元気がない」と感じて来院されます。進行すると、歯茎が白くなる、尿が赤黒くなる、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)などの症状が現れます。特に注意したいのは、症状が出ない「不顕性感染」のケース。見た目は元気でも、検査すると感染していることがあります。散歩後に愛犬の様子がおかしいと感じたら、すぐに動物病院で検査を受けることをおすすめします。
Q: バベシア症はどのように感染するの?
A: 主な感染経路はマダニの咬傷です。特にOrnate dog tickやBrown dog tickなどのマダニが媒介します。面白いことに、犬同士の咬み傷や母子感染、輸血でも感染することがあります。私が診た症例では、ドッグパークで遊んでいた後に感染したと思われるケースもありました。マダニは2-3日間吸血しないと感染が成立しないので、毎日のブラッシングとマダニチェックが重要です。予防薬を使っていても100%防げるわけではないので、油断は禁物ですね。
Q: バベシア症の治療法は?
A: 治療の基本はimidocarb dipropionateという注射薬です。この薬は痛みを伴うことが多く、副作用として震えやよだれが出ることもありますが、命を救うために必要な治療です。私の病院では、重症例に対しては輸血や酸素療法も行います。治療後は2-3ヶ月間隔でPCR検査を行い、完全に治ったことを確認します。注意したいのは、治療後も体内に原虫が残ることがある点。見た目は元気でも、他の犬に感染させる可能性があるので、咬み合いや輸血は避けるべきです。
Q: どの犬種がバベシア症にかかりやすい?
A: グレイハウンドやテリア種、特にピットブルテリアがかかりやすいです。私の経験では、レースに出ているグレイハウンドの感染例が特に目立ちます。また、子犬や若い犬は重症化しやすい傾向があります。屋外で過ごす時間が長い犬や、森や草むらによく行く犬もリスクが高いですね。犬舎などで集団飼育されている場合も感染が広がりやすいので、定期的な健康チェックとマダニ予防が欠かせません。
Q: バベシア症を予防する方法は?
A: 最も効果的な予防法はマダニ対策です。おすすめは、月1回のスポットオン剤(フロントラインなど)や経口駆除薬(ネクスガードなど)、マダニ予防首輪(セレストなど)を組み合わせること。私の患者さんでは、これらの予防薬を正しく使っている飼い主さんの犬は、感染率が明らかに低いです。また、庭の草を短く刈り、茂みを減らすことも有効。マダニが多い地域では、庭や犬舎にも殺ダニ剤を使うとより安心です。予防薬を使っていても、散歩後のマダニチェックは忘れずに!






